高知市内銭湯探検Vol.5「城下湯」〔4633〕2015/12/22
2015年12月22日(火)快晴!
これでもか、と言うばあ晴れちょります。冬至。しかし、冬至とは思えんくらいの暖かさ。どうなっちゅうがでしょうか。
冬至。一年で一番お昼が短い日。この日から日が伸び始める、ということで、物事のスタート、始まり、成長などを意味する特別な日として、古来、信仰の対象となってきた日、冬至。
日本で冬至と言えば、柚子湯でしょうね~。
そんな訳で、あと残り2軒となった高知市内銭湯探検のうち、城下湯さんに来てみました。冬の夜の銭湯。ああ。なんという懐かしい空気だ。
城下湯は、お城の北。県警本部のところから北へ橋を渡り、大通りを左折してしゅっと。歩道橋の西側の南。駐車場もあって、遠くからのお客さんも結構居るのではないか、という、まあ、本格派銭湯と言える佇まいを見せておりました。
ところで、柚子湯というのは、江戸時代に始まった風習にかありません。柚子湯に入ると風邪を引かん、という俗説は、実は、一定の真実でもあるとも言います。
江戸時代のお風呂屋さんで、「冬至」と「湯治」を引っ掛けてイベントを始めた、という説が一般的。で、融通(柚子)がきく、という語呂合わせもあるという説も。まあ、真冬の寒い日に銭湯で熱いお湯に浸かる、というのは、どう考えても魅力的だ。そのお湯が柚子の香りで、しかも身体が温まるとあっては、もう、極楽。そんな訳で、今に伝わる柚子湯の風習。
そんな訳で城下湯。夕刻、仕事を終えて家へ帰る途中に寄ってみたのであります。今晩は珍しく忘年会がない、エアポケットのような日。
マンションの1階。今日は柚子湯の日、ということで、結構賑わっておりました。脱衣所はそんなに広くはない。浴室に入ると、左手にしゅっとサウナ。こないだの清水湯も、高砂湯もそうでしたが、銭湯のサウナというのはスチームバスで、木の香りと水音がして、なかなか素敵。身体に優しいサウナだ。
城下湯の浴槽は、広めの、ジャグジーが付いた「ぬる湯」と、狭めの「あつ湯」。「ぬる湯」の奥に電気風呂。壁面に狭い「よもぎ湯」もありました。
サウナの前には水風呂がありますが、これは、こじゃんと狭い。
城下湯は、清水湯ほど、会話が弾んでいるお風呂ではありませんでした。老若男女、幅広く、広い範囲からお客さんが来ちゅう感じ。女湯の方には子連れのお母さんも多いようでした。
たぶん、家にはお風呂があっても、わざわざ広い銭湯の柚子湯に入りにきちゅうがでしょう。
城下湯は、壁面に絵画は描かれちょりませんでした。
ただ。
柚子湯は、この浴室の中の「ぬる湯」に、1個だけ浮かんでおりました。1個だけ。
高知県の公衆浴場同業組合が、今日は柚子湯の日ということで、それぞれの銭湯に「柚子湯」をすることを申し合わせちゅうがにかありません。それには、柚子の個数の決まりごとは無いのだと思われます。
まあ、縁起モンですので、かまんと言えばかまいません。
柚子湯で思い出すのは、Sさんちの柚子湯。
Sさん。弊社の元営業部長。小生もSさんも若いころ、同じく弊社営業のTさんと一緒に、毎冬、スキー遠征に出かけよりました。最初は、兵庫県のハチ北とかへ、車で行ったり。まだ、瀬戸大橋も高速も無い時代ですき、遠かった遠かった。
そのうちにもっと遠くへ行きたくなって、仕事を終えた夜の最終便で大阪や東京へ飛行機で飛び、夜行バスで白馬とか蔵王とかへ行くようになりました。
Sさんちは土佐山田。で、仕事を終え、飛行機に乗る前に、Sさんちで日本酒をどっしこ飲む。強烈に、飲む。そして、お風呂を頂くのであります。Sさんは、大豊が実家で、柚子農家でもあります。家には柚子がどっさり。柚子を搾った柚の酢も、一升瓶で製造しておりました。
熱いお風呂で小生が湯船に浸かっちょりますと、Sさんが入って来て、柚子湯にしちゃお、と言いながら一升瓶の柚の酢をドバドバドバっと惜しげもなくお風呂へと投入するではありませんか。
今まで、あのような強烈な柚子湯は、後にも先にも体験したことございません。身体がヒリヒリするくらいの柚子のお湯。あの柚子湯を知ってしまった私にとって、どんなにたくさん柚子玉を浮かべたお風呂も、ホントの柚子湯ではありません。
そんな訳で、今日の城下湯。
縁起物ということで、1個だけ柚子玉が浮かんだお風呂でしたが、それはそれ。こじゃんと温まって、心地よい時間を過ごしてきました。やっぱし冬至には銭湯ですな〜。
さあ。
高知市内で制覇してない銭湯は、あと、残すところ1軒。ゆっくりじっくり攻めてみたいと思いよります。