空から見た船岡山と三宝山層〔4418〕2015/05/21
2015年5月21日(木)晴れ!
良いお天気。今日は、午前中の飛行機に乗って東京へと向かいよります。青空に飛行機が吸い込まれていくよう。
写真は、離陸する飛行機から見た船岡山界隈。以前にも何度かご紹介してきた、南国市の船岡山。レストラングドラックさんの南側にある、楕円形の山。かつては標高54.1m。古墳が多い、古くからの信仰の山で、住吉神社さんが鎮座ましましちょります。
その住吉神社さんの大祭の奉納相撲は有名であった、という話も、このにっこりでは何度も書いてきました。
写真、右手の、外周だけが緑色をした楕円形の山が、船岡山。
現在の船岡山は、外周だけが残され、内側はえぐり抜かれてしもうちょります。脇から見ると山に見えますけんどね。
その南側、立派なチャートの岩でつくられた石段を登っていくと、住吉神社の境内。新しく造成された境内に、新しい拝殿と、保護舎に囲われた古い本殿が鎮座。この玉垣には文化8年とか文政4年とか刻まれちょりますので、今から200年ちょっと前。
地理院地図をネットで見てみますれば、この神社の場所に40という数字が見えます。標高40mあるのでしょうか。うっそ〜。いや、そうは見えない。
この船岡山の周囲の標高は4〜5m。そこから35mも上がっちゅうようには見えない。地理院地図のレーザ測定標高でも、16mくらいの表示。たぶんそれが正解。この「40」という数字は、何の数値が残っちゅうのでありましょう。
Googleマップで見てみますと、この船岡山と東側の吾岡山は、この南西の蜂伏山、小富士山などの山と同じ山塊であることがわかります。つまり秩父累帯南帯、三宝山層。鉢伏山の南側は稲生の石灰鉱山となっちゅうのはご承知の通り。
で、この山の内側がくり抜かれてしもうたのは、この山が良質な珪石でできちょったきにかありません。
この船岡山の住吉神社さんへ登っていく石段のチャートは、この山で産出されたものでしょう。
あのチャートに、珪石が含まれるがかも知れません。そう言われてみれば、チャートに、白い、光沢のある部分が含まれちゅう気もするではありませんか、俄か地学ファンといたしましては。見当違いかも知れませんが。
珪石の用途は色々ありますが、ウィキによりますれば、「大量の石灰石と粘土に少量の珪石と鉄滓をそれぞれ細かく粉砕し、混合した後、焼成すると、セメントクリンカーを得る。これを少量の石膏と混ぜて粉砕することでセメントができあがる。」とあるので、おそらくはセメントの材料。だって、この珪石鉱山、太平洋セメントさんの鉱山ですき。
つまり、この山塊。中央に、潮見台団地のある小富士山、その左に続いて鉢伏山。その左崖は石灰石鉱山。で、右側に離れた船岡山に良質の珪石。セメントつくるにはボッチリという山塊ながでしょうかね。興味、ないですか?
この外周だっけの船岡山、飛行機の離着陸の際、運が良ければその姿が見れます。今日はうまく見れました。飛行機に乗ったら、気がけてみて下さい。なかなか興味深い楕円形が、このように見えます。
この眼下の山塊が、三宝山から続く秩父累帯南帯。左端にまっすぐ向こうへ連なる山。そのこちら側の麓を、仏像構造線。一望できる飛行機って、すごい。興味、ないですか?