商売星、米相場、米騒動、宇田友四郎〔4335〕2015/02/27
2015年2月27日(金)晴れ
良いお天気。晴れました。明後日から3月ということで、季節は確実に春に向かっております。はや3月か〜。
ここは今朝の野市、上岡八幡宮さん境内。東の空には、もう、夏の星座が幅を利かしちょります。写真中央上部。一番明るい赤い星が、さそり座のアンタレス。赤星。酔っ払い星。日本では色んな呼び方をされてきた、馴染みの深い星。赤色超巨星でございますね。
で、このにっこりで何度か書いてきたように、あのアンタレスの両側に、傘の形に星が。土佐では、アンタレスを中心にして天秤棒に見立て、傘の角度が大きゅう見えると米が豊作で、米相場が下がる、てな見方をしたそうです。なのでアンタレスは商売星。
米相場。米相場と言えば、米騒動。大正7年に富山で始まり、全国に広がった米騒動。第一次世界大戦の影響で、物価、特に米相場が高騰。庶民が怒った訳ですな。戦争景気で、一部の大企業が大儲けをしている、ということもあって、そんな格差の広がりに庶民の不満が爆発した、というのが米騒動。
インフレの怖さは、誰もコントロールできなくなる、という部分にある訳で、これは経済学がいかに進歩しようが、本当のことは誰にも予想できない、という経済の真理を表しちょります。そして、ピケティが言っているように、たぶんトリクルダウンなんぞは幻想。いや、経済学は難しい。
米騒動。
大正7年8月に富山で始まった米騒動は、その月のうちに高知へも波及。群衆が富豪の家を襲撃する、という噂が流れて厳戒態勢が布かれました。で、高知市は、米価調節会と協力して、8月から12月まで米の廉価販売を実施。
市の財政を、米価格安定に振り向けた訳だ。
この際、土佐では民間も頑張ります。財界の雄、宇田友四郎が、侠客、鬼頭良之助に出資して米の廉売をやらせたと言います。そう。仲代達矢演じる鬼龍院政五郎のモデルとなった、土佐の親分、鬼頭良之助さんは、心情的には庶民の味方でありました。富豪の宇田さんは、庶民の暴発を恐れたのでもありましょう。
宇田友四郎さんは、こっから東へ行った岸本の生まれ。商売に失敗したりしながら海運に目覚め、土佐商船を設立。日露戦争で船の価格が高騰すると、売り払って巨額の利益を得、土佐セメントを設立。第一次世界大戦が始まると、白洋汽船などで儲けました。そんな時期の米騒動。命の危険を感じても無理はありません。
その後、土佐銀行頭取になったり代議士になったりしました。
しかし、現代の高知県人にとって、宇田友四郎の名は、そんな功績ではなく、土佐中学校の創立者として、記憶されちょります。川崎幾三郎さんと共に設立した学校は、創立94年を迎えました。