月見酒と地球見酒〔4193〕2014/10/08
2014年10月8日(水)快晴!
昨日今日と、見事な秋晴れが続く高知県地方。が、またまた台風が来よりますね。太平洋を発達しながら。しかも、米軍の予想進路を見ると、真っすぐ北上した後、少し左に折れ、奄美大島方面へ。う〜ん、ちょっと嫌なルート。こっちへ来んことを祈ります。
台風。typhoon。タイフーン。元々ギリシャ語かペルシャ語由来の英語typhoonが、日本では颱風となり、戦後になって台風になった、ということ、なので、明治以前、日本に台風という言葉はありませんでした。
なのに、こないだ、藤原純友の乱のことを描いた小説を読みよって、台風という単語を登場人物が喋りゆうがを見ました。ん、と、違和感を持ってしまいますな。もちろん、昔は、今のように天気図を見れる訳ではないので、どんながが台風でどんながが集中豪雨で、といったことは、わからんかった訳です。何と呼びよったのかは、よくわかりません。たぶん、土地土地で、呼び名が違うちょったがでしょうな。土佐と東北では、その襲来の仕方が全然違いますきんね。
さて。
写真は今朝、5時頃の鏡川。鏡川大橋の近くの土手上から西の空を撮影。お月様が川面に輝き、美しい風景。秋の川には満月がよく似合います。
向こうの橋は九反田橋。左端に筆山の影が見える、夜明け前の風景。
あの、お月様に、人間が最後に行ってから何年経つのだろう。と、ふと思うて調べてみると、最後に人間が月面まで行ったのは1972年。アポロ17号。なんとなんと、今から42年も前のことになるのであります。そんなに行ってないのか、月には。ビビります。と、言うことは、小生よりも若い世代は、月面着陸の記憶がほとんど無い、ということになります。
最初に人類が月面に脚を降ろしたのは、アームストロング船長の「この1歩は小さな1歩だが、人類にとっては偉大な1歩だ」という余りにも有名な台詞とともに記憶される1969年。アポロ11号。小学生であった小生は、学校の教室に置いちゃあった、めったに使うことのなかった白黒テレビで、観ました。授業を中断し、中継を観た記憶があります。夏休み前の、暑い教室で。
アポロ計画は17号で終了。そして、人類は、月面有人探査をすることなく、今まで42年間、過ごして来た訳だ。これはすごいこと。この42年間に、科学技術がどれっぱあ進歩したのか。それを考えたら、42年前の月面有人探査の凄さがわかります。あれはアメリカが地球上のどこかのスタジオで撮影した、偽の映像である、などと言われたりするのも、この42年一度も行ってないことを考えれば、なるほど、と思わされてしまいます。それほどの42年間。
有人月面探査の後、ソ連は金星探査と宇宙ステーションへ、アメリカも宇宙ステーションや遠い惑星探査へと進み、月面を目指すことはなくなりました。
月面へヒトを送るというのは、たぶん、とてつもない費用がかかるがやと思います。宇宙開発計画は、どこに資源を投入し、どのような効果、成果を目指すのかによって、全然違う方向に行く訳ですね。
やはり、大義名分はどうであれ、軍事的効果がないと、国家は予算をつけません。夢や好奇心だけでは、なかなかね。
アポロ計画以前、宇宙開発計画は、ソ連が米国より一歩先を行っておりました。最初に人工衛星スプートニクを飛ばしたのも、最初にガガーリンを宇宙へ送ったのも、ソ連でした。このにっこりでも、以前、詳しく書いたことがあります。当時、「チーフデザイナー」という名前でしか西側諸国には知られていなかった人物、コロリョフという有能にしてカリスマ性を持った人物が、ソ連宇宙開発を牽引しました。プロデューサー。
脚を引っ張る敵や、スターリンのような猜疑心の強い指導者のせいで、収容所暮らしをしたこともある苦労人コロリョフは、どうやったら宇宙開発に予算がつくのか、知っちょりました。
宇宙を制することで、アメリカに、軍事的に圧倒的に優位に立てる、という説得を、国家指導者にするのが彼の役割であったことは言うまでもありません。ホントは、彼は、純粋に、ロケットを飛ばして宇宙を探査することに興味があっただけなのですが。
もちろん、弾道ミサイル技術の為、という側面も強調されたでしょう。当初、指導者は、そちらにしか興味がなかったようですが、スプートニクが宇宙を周回し、ピーピーという発信音を地球に送ったとき、ソ連指導者は、宇宙開発の重要性を知ったと言われます。逆にアメリカは、今にも宇宙からソ連が攻めて来る、という恐怖感に包まれたと言います。
冷戦終結後、宇宙の軍事的重要性が低下しちゅうかと言えばそんなことはありません。やはり、大義名分はともかく、国家安全を重要な位置づけとしての宇宙開発が存在することは事実。
なので、月面開発は、費用対効果といったところで、半世紀もほったらかしにされてきたのかも知れません。
しかし、月面。地球外天体を、人類が歩く、というのは、実にすごいこと。
この、写真に見える美しい月の表面を歩き、飛び跳ね、地球を眺めてお酒でも飲んでみたい。ああ、地球見酒。