台地の上と下〔3902〕2013/12/21
2013年12月21日(土)曇ってまんがな
そんな訳で今朝は大阪。昨日今日と関西方面をロイロイしよりまして、泊まりは大阪でした。大阪駅の近く。で、5時半にホテルを出て、走ってきました。心地よい大阪朝RUN13km。
近年、東京とか大阪の自然地形を体感しながら走るががマイブーム。大阪も東京も、沖積平野に洪積台地が張り出したような複雑な自然地形の上に、その地形を見事に利用してつくられた都市、という話は、最近びっしり書きよります。
大阪の街の大部分は、昔、海の底でした。淀川などによって流されて来た土砂が堆積した沖積平野。で、大阪の大部分が海やった頃、古大阪湾の入り口に、南から北に張り出した半島がありました。上町半島。現在の上町台地。これも、数万年から数十万年前の堆積作用でできた洪積台地で、地盤が固く、今は、沖積平野から一段高く盛り上がった台地になっちょります。その上町台地の北の先っぽに石山本願寺が作られ、現在の大阪城となっちゅう、という話も以前書きました。
今朝はですね、その、上町台地の西、台地の麓と思しきところを走って南下してみました。天神橋筋から、松屋町筋がそう。大阪の街に詳しい皆さんはわかると思います。松屋町筋から谷町筋方面へ、西から東へ進むと、かなり、上り坂になっちょりませんでしょうか。その坂の上が台地で、下が低地。
都市の成り立ちとして、江戸でも大阪でも、台地の上には上級武士の屋敷やお金持ちの屋敷、お寺さんなどが並び、低地には下町ができ、庶民の賑わいが形成されていく。これは、もう、法則と言うたちかまんでしょう。
ここは、天王寺動物園の北西。歩道橋の上から、南を撮影しました。
左下の森が天王寺公園と動物園。その向こうにあべのハルカス。天王寺の駅界隈。新しい大阪のシンボル。
あべのハルカスがある界隈は、上町台地の上。新しい、お洒落な賑わいは、台地の上に形成されよります。動物園は、台地の西斜面を利用してうまくつくられました。
そして。
写真の右半分は、台地の西下の低地。この低地に、大阪独特の、猥雑な賑わいが形成されちゅうのはご承知の通り。
こっから南西には通天閣が。新世界。そして、その南の方角には、天下茶屋とかがあり、飛田新地も。嘗ての遊郭は、そんな低地につくられたのでありました。今も、そのままと言うたちかまんばあの雰囲気で残る、奇跡の街、飛田は、未だに年号は昭和かも知れません。
で、去年12月11日のにっこりでご紹介したように、その飛田新地の東端は、上町台地の崖。台地の上には高層マンションが立ち並び、崖の下に飛田新地。見事なコントラスト。これが、台地の上に形成される街と、下に広がる街の典型的な風景かも知れません。
猥雑な街は、これからも、重要な街として残り、栄えていくでしょう。その一方で、固い地盤の洪積台地の上に高層ビルが建ち、新しい、お洒落な賑わいも形成されていく。現代の街は、そんなものが色々と綯い交ぜになった街。
今朝は、飛田新地から台地の上に上がり、あべのハルカス、そして谷町筋を北上して帰りました。谷町筋は、谷にあるのではなく、上町台地の上、稜線上を南北に走る道。四天王寺とか、生国魂神社さんとか、重要な施設は、谷町筋沿いの台地の上。
生国魂神社さんから西を見ると、崖の上から低地を見張らせます。四天王寺辺りを夕陽ヶ丘というのは、その、台地の上から低地、海の方向に、美しい夕陽が見えるきです。
太古の昔からの自然地形。その上につくられた街。自分の足で走ると、それがすべて体感でき、街の成り立ちを理解することができるのであります。仕事前から有意義極まりない大阪の朝。