土佐北街道、雲海〔3486〕2012/10/31
2012年10月31日(水)晴れ!
今朝は、香川に来ちょります。坂出にあります香川支店。朝、本社で一仕事済ませてからやってきました。とは言え、本社を出たがは6時過ぎですき、愛媛県の新宮インターまで下道を走っても、香川支店の朝礼にはキチンと間に合うのでありました。
国道32号線を大杉まで走り、そっから県道5号線へ。立川川(たぢかわがわ)沿いにどんどんと上っていくと立川(たぢかわ)。藩政期、参勤交代で大名行列が通ったルート。土佐藩側の番所があり、その建物は国指定の重要文化財として残っちゅうがはご承知の通り。そっから更に上って行くと、高速道路の、笹ヶ峰トンネルの入り口の横へ。そしてそこから、狭い狭い道をどんどんと上っていくのであります。
朝靄がたちこめる、マイナスイオンたっぷりの森の中を、静かにくねくねくねくね上って行けば、笹ヶ峰隧道。
その界隈までいきますと、今、かなりキレイな紅葉が見れます。名所ではないですけんど、まあ、なかなかのもの。そして、南東方向を眺めると、そこは夢の世界。険しい四国山脈の谷間は、白く埋め尽くされ、雲間から朝日が昇り始めました。はるか彼方の山までつづく雲海。美しい、夢のような景色。
朝から、あまりにも気分の良い風景。
この県道の、笹ヶ峰隧道入り口の脇には、「関連林道 川之江大豊線完成記念」と刻まれた記念碑が立っちょります。昭和42年3月建立。元々、このルートは、参勤交代でも利用された、土佐国と外界をつなぐメインルートでした。笹ヶ峰の峠は、この写真を撮ったところから30分程度登った、標高800m近い険しい峠ですが、毎日、多くのヒトが歩いて通っていったことでしょう。
昭和42年に完成した立派な林道は県道になり、多くの車が通った時代もあったかも知れません。が、今は、高速道路が大豊と新宮の間を通り、めったに車が走ることもないなった県道。
今朝、立川から、笹ヶ峰隧道まで、一台の車にも逢いませんでした。
そして、隧道を抜けて愛媛県へ。馬立方面へと下り始めると、突然、道路のまん中に鹿!
小生の車に驚いて、山へと駆け上がっていった鹿。しかし。鹿がしかし。ちょっと登ったところで立ち止まり、ずうっとこちらを見よります。メッソ人間にオジませんな。
四国山地は、今、鹿が大量に繁殖して、その食害がエラいことになっちょりますが、その一端をかいま見ることができました。笹ヶ峰越えの道では、人間には逢いませんでしたが、鹿には逢いました。前々回通ったときは、猿に逢いましたが。
紅葉の山、マイナスイオンの森、雲海、朝日、そして野生動物。
早起きして、ヒトより余裕をもって時間を過ごし、仕事に臨む。かなり贅沢な時間を過ごし、仕事に臨む。そんな一日のはじまり。