知恵と工夫とセンスと想い〔2984〕2011/06/17
2011年6月17日(金)小雨
はりまや橋で、高松行きのバスを待つ時間があったので、ちょっと東にある例のバス降り場を眺めてきました。写真は、高知市が十数億円かけて整備した立派な立派なバス「降り」場の裏手。このバス降り場からは、バスに乗る事はできません。高速バスとかはここへ着いて、乗客が降りてくるだけ。あと、バスが数台停めれる有料駐車場にもなっちょります。
都市計画に、深い思慮と熱い想いがなかったらこんなになる、という典型例。全国から視察にきてもらいたいです。
こないだ、高知生コン事件40周年のシンポジウムが開催された話はご紹介しました。あの場で、水辺を活用した街づくりが世界中で進みゆう話が出ました。例えば韓国ソウルでは、清渓川(チョンゲチョン)という川の上を通っちょった高速道路を撤去し、親水空間をつくって街に賑わいを取り戻しました。東京でも、そんな試みがどんどんと進み、ヒトが暮らし賑わうということの見直しが行われゆう時代。行政にも、想いとセンスが必要ながです。
世界中のそんな取り組みを見てこられた法政大学の陣内先生は、新堀川を暗渠にしゆう工事を見て、「今の時代、考えられない」とあきれておられました。
さて、このバス降り場の場所は、実は、昭和40年頃に埋め立てられた堀川の跡。とてつもなく汚染しちょった江ノ口川とつながっちょった堀川は、汚いドブ川になり、臭いものにフタ、ということで埋められました。はりまや橋の下が川やないなったがもその時。しかし時代は流れ、稀に見る水都であった高知の街を、今一度復活させたい、という声があがりはじめました。
はりまや橋周辺の、元堀川の部分は、噴水とかのある水の公園になっちょります。しかし流れてはおりませず、阪急三番街の水路と一緒。魚は居ません。しかし、今一度掘り返せば、浦戸湾のものすごい生態系が、その堀川をさかのぼり、豊かな素敵な水の都になる、と、高知大学の専門家の先生がおっしゃっておりました。
さて、その際、この数十億円かけてつくったバス「降り」場が、ちくとマギります。そこで考えました。堀川を行き来する舟は、松江の堀で使用されゆうような細長い小舟にします。バス降り場を壊すががもったいない、というがやったら、この裏手の細い部分だけでも水路に戻し、一方通行にして信号をつけたら、なんとかなるがやないでしょうか。松江の、屋根が立ったり下がったりして、低い橋の下を通れるようにしちゅう工夫を見て、工夫次第でなんぢゃちできると思いました。知恵とセンスと熱い想いがあれば、なんぢゃちできる、と、思います。
へんてこりんな偽物をつくることが街づくりと観光振興と思いよったら、10年後、30年後の高知の素敵な未来は見えてきません。しゅっとはいかんでしょうが、皆で、できることからじっくりまったり。