陥没の原因〔7971〕2025/02/10

2025年2月10日(月)晴れ
今朝も恐らく氷点下。ひやいねー。この寒波が終われば、もう春でしょうか。春になるといいねー。
さて。
埼玉県八潮市の道路陥没事故は、大変なことになってます。日本列島、これから、かつて大規模にして激しく行われたインフラ整備事業のメンテナンス、取り替えなどの時期を迎えます。これはなかなか大変だ。八潮市だけの問題ではないと心得、対策を実施していかんといかん、日本列島。
今回の道路陥没は、地中の大きな下水管が破損したのが原因と言われています。道路陥没で思い出すのは、2020年に東京都調布市で発生した、リニア中央新幹線工事による陥没。大深度地下トンネルは安全、という神話が崩れた陥没事故。
リニア工事では、昨年、岐阜でも陥没事例が発生してて、工事の難しさが指摘されてます。
2月10日のウィキを見ると、1936年(昭和11年)2月10日、地下鉄梅田駅の建設現場で陥没事故が発生し、広い範囲に被害が及、2名の犠牲者を出しています。まだ、地下鉄工事の技術が未熟だったのか、また、梅田という土地の地盤問題もあったのか。
大阪という土地。古代には広い湾となっており、中世以降になっても広大な湿地帯でした。硬い地盤は、南から北へと突き出している上町台地くらい。その台地の北の先っぽには弥生集落があり、難波宮がつくられ、石山本願寺となって信長の猛攻を凌ぎ、そして大阪城ができたのはご承知のとおり。
その北は広大な湿地帯。秀吉の時代、その湿地帯を埋め立てて田んぼにしたので「埋田」となり、それでは縁起が悪いということで「梅田」になった、と言います。お初天神とか、天神様があったので天神様にちなんで「梅」にした、と。
上記のように、梅田では、地下鉄工事でも陥没事故が起きたけど、1975年(昭和50年)に「大阪駅前都市改造第2ビル建設の梅田陥没事故」というのも起きてます。これ、沿道10店舗が取り壊しになったという大きな陥没事故。地盤の問題なのか下水工事に問題があったのか、よくわかりません。
まだ行ったことないけど、大阪駅の北側の再開発はすごいらしいですね。その「うめきた」第二期工事中に、人骨が1500体超発見された、というニュースがありました。どうやら、藩政期に「埋田」の一部が「梅田墓」という広大な墓所になっており、無縁墓も含めて多くのお墓があったらしい。「埋」に人間を埋葬する意味があったのかどうかは知らんけど、そんな場所だった「うめきた」も、今や再開発で大きく変貌を遂げています。
陥没の話でした。
陥没には、いろんな原因があります。下水管の工事。下水管の破損。大深度地下トンネル工事。工事ミス。地盤の読み違え。などなど。
ここは、幾度かご紹介して、ブラタモリでもタモリさんをご案内した場所。高知の城下、郭中と下町を隔てるお堀があり、そこに架かっていた「土橋」の痕跡である、盛り上がり。ここに架かっていた橋をそのまま叩き込んだので、盛り上がった土地が残った、と聞きます。で、この道路の補修跡。いつだったか、ここで「土橋」の話をしてたら、蕎麦屋の「つちばし」のおばちゃんが出てきて、道路のこの部分が、補修しても補修してもギッチリ陥没して困るき市役所に言うちょいて、と言われたことを思い出します。その話を聞いて、思い当たりました。
橋をそのまま叩き込んだ、とのことなので、当然、隙間、空間ができている。なので、いつまでたっても、補修しても補修しても陥没が止まらない、ということではないか。たぶん、そうだ。
陥没には想定を超えた理由があり、人類には、これからも陥没と闘っていかなくてはならない宿命があるのであります。