高知県商工案内の高知牛乳〔6322〕2020/08/06
2020年8月6日(木)晴れ
良いお天気の8月6日。
こないだご紹介した、大井三重子さんの「水曜日のクルト」という童話集に収められてる物語は、1950年代頃に書かれたものと言います。なので、どうしても、戦争の匂いが漂います。お兄さんが戦争に行った話とか。
僕が子供の頃に読んだ本には、確かに、まだまだ戦争の匂いが立ち込めてました。元軍人が登場したり、親を戦争で亡くした子供が登場したり。そして街の道端には、傷痍軍人の格好した人が座り込んで、物乞いしてた、そんな時代。
今はもう、街に戦争の匂いはしないし、現代を舞台にした小説に太平洋戦争が絡むことも少なくなりました。今日は8月6日。かつては原爆をモチーフにした小説や詩集がたくさんありました。僕らが子供の頃で言えば「はだしのゲン」とか。こないだ書いた、「伊福部昭の映画音楽」で紹介されている昭和27年新藤兼人監督作品の「原爆の子」などは、かなり衝撃的です。
今はまた、新しいタッチの「この世界の片隅に」などという優れた作品も生み出されてて、嬉しいですね。
ひまわり乳業は、戦後すぐの昭和21年、法人化しました。土佐乳業とかの名称を経て、すぐに、「高知牛乳食品株式会社」という社名に落ち着きます。
戦後、悲惨な社会状況の中から、復興の足音が響き始め、世の中がたくましく動き始めた1950年代。高知でも、社会経済活動が盛んになりつつあった昭和26年、「高知商工案内」というのが出版されてて、そこに、こんなのがあったそうです。
このにっこりひまわりに最近よく登場する、土佐史談会、今井副会長のコレクション。昨日、facebookで、こんなのをお持ちであることを教えて頂いたのであります。
すごい。
初めて見ました。
牛乳の御用命は、衛生設備の完備せる高知牛乳へ御願致します。新鮮なる牛乳を何時でも御希望の時間に配達致します。
高知ミルクプラント
高知牛乳食品株式会社
代表者 吉沢八洲夫
高知市南與力町7番地
電話 1124番
昭和26年。1951年のこと。なんておしゃれな広告だ。斬新なピンクに、モダンな女性。コップの「K」が効いてます。こんな広告、出してたんですね。この頃はまだ、牛乳は貴重品で、大人が飲むものだったのかも知れません。昭和30年代になると大衆化し、一番飲むのは子供たちになる訳ですが。
さすがの今井コレクション。終戦からまだ6年。戦争のことは、忘れようにも忘れられない時代。でも世の中は、前を向いて、歩き始めていたことが、わかる。わかります。
戦後、高知牛乳は、このような広告を出しながら、懸命に成長していたことが、わかりました。
ひまわり乳業を、新しい時代、これからあるべき社会の中で、懸命に成長させていく責務が、僕らにあることが、わかりました。