大自然の厳しさ、激しさ、美しさ〔5621〕2018/09/05
2018年9月5日(水)晴れ
台風一過。とは言え、高知県中央部は、大した被害もなくて無事でした。しかし、室戸界隈とかにはかなりの強風被害がでてます。
そして、関西方面。大きな被害がでてしまいました。被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。関西方面の交通網は乱れに乱れ、昨日の朝6時に弊社工場を出発した大阪便が帰ってきたのは今朝の3時半。本当にお疲れ様です。
それにしても関西空港。知らんかったけど、開港してから四半世紀の間に、4mほど地盤沈下しているんだそう。それは大変だ。なんでも、20m程度の沖積層があって柔らかい。しかしまあ、巨大構築物を作る場合、その下まで基礎杭を打ち込むので、そうそうは地盤沈下はしないはず。ところが、関空は重いのだ。沖積層の下にあるのは洪積層。そう。このにっこりでも一番登場する地層、洪積層。洪積層は、基盤岩ではない。沖積層よりは硬い地盤とは言え、数万年から数十万年前に堆積した土砂が固まった層なので、硬いけど、土。だから、そこに思い構築物が乗ると、やはり沈むのだ。
どうやら長い年月沈むと、ある程度のところで沈下は止まると予想されているらしいが、それはいったいいつのことやら。
そんな訳で、場所によって沈むスピードが違うので、少しづつジャッキアップして高低を調整したりといった涙ぐましい努力が、莫大な費用とともに続けられているらしい。なるほど。海上空港というのは、騒音対策や用地買収が容易であるかわりに、そんな問題を抱えているんですな。難しいもんです。
で、今回の被害以前に書かれたネットの記事にも、緩い地盤との格闘、といった内容のものがありました。
平成26年から護岸工事が行われ、コンクリートで3mの嵩上げが行われた。その記事には「50年に1度に相当する波に対応できるよう設定されている」と書かれてるのが、少し哀しい。50年に1度か。
まあ、高潮は、引けばまた平常に戻るので、良しとしよう。
すごいですね、あのタンカー。連絡橋にめり込んだ、タンカー。あの道路はしばらく使えそうにない。高知自動車道の大豊新宮間みたいに、下り線を対面通行にするんでしょうかね。鉄道の橋に被害が無ければ良いのだが。
高知大阪便の飛行機は、今は全部伊丹空港になったので、僕らに直接的影響はないけど、海外旅行やLCCを使う人など、これからかなり不便になりますね。
写真は、会社の、僕の部屋の裏手。ヤマモモ。桜。夏草。良い感じに生い茂った森になりました。台風一過で、濡れた緑を朝日が照らして美しい。
この夏草の下には朽ちた木もあるので、ひょっとしたら粘菌、発見できるかも知れません。
大自然は、こんなにも美しいけど、厳しく激しくも、ある。人間の力が大自然に敵うことは、ない。
今度空港をつくるときは、メンテナンスのこと、自然災害のことももっともっと考え、地質を完全に調査した上で、ことを進めよう。