汽車と煙草と昼間酒〔4627〕2015/12/16
2015年12月16日(水)薄曇り
師走。忘年会も佳境に入って参りました。昨夜も二つ。今日は昼から。
そう。今日の忘年会は、土佐山田でお昼から。幾度もビッシリ書いてきたように、酪農家さんの宴会は、お昼が多い。朝晩は搾乳があって忙しい、という理由から。
今日は土佐山田界隈の合同忘年会なので、かなりの酪農家さんが集まります。お昼っから、山田の「味心」さんで、美味しい刺身、お寿司、天ぷらなどなど。そしてビールと燗酒。
燗酒と言えば、今日もヌクい。冷酒が飲みたいくらいだが、高知の宴会は燗酒。盃の交換をしながら飲みたくるのが習わしなので、今日もたくさん飲む予感満載だ。
そんな訳で、車を高知に置いて、汽車で行きよります。高知発阿波池田行きの各駅停車。阿波池田まで、結構遠いですけんどワンマン列車。一両で列車と呼ぶのかどうかは微妙なところですが。
土讃線は電化されちょりませんので、ディーゼル。なので、高知の人はJRのことを「汽車」と呼ぶ。高知県人にとっての「電車」は、土電の路面電車のこと。
で、汽車に乗って学校に通う生徒のことを、我々の頃は「汽車通(きしゃつう)」と呼びよりましたが、今でもそうなんでしょうか。
こないだ、煙草を吸う高校生の話を書きました。もう、絶滅危惧種かも知れない煙草を吸う高校生。かつて、土讃線の汽車の中は煙草の煙がモウモウしよったことを思い出します。もちろん禁煙車両なんぞは無く、座席横の壁面には灰皿が常設されちょった、あの時代。
中学生の頃。土佐山田に在住の有名なSAXの先生、M先生に、レッスンを受けに行ったことがあります。汽車に乗って。その汽車に、山田から通うてくる同級生が、丁度乗り合わせたのであります。彼は帰宅の為に汽車に乗っちょった訳だ。
同じ席に座ったのですが、彼は、おもむろに煙草を取り出して吸い始めました。もう、当たり前の様に。
そもそも、座席脇には灰皿がある。その汽車は何両編成かの長い列車で、機関車が引っ張るタイプの、箱型車両でした。車掌さんも、めったにやって来ない。と、言うか、黙認しちょったがも知れませんな。一々注意しよったら果てしないので。
汽車の中は学生天国の様相で、やりたい放題でしたね〜。古き良き?時代だ。
写真は、土佐山田へ向かう汽車の車内。今はこんな感じ。もちろん煙草を吸う雰囲気のかけらもありません。高校を卒業して上京した頃の東京で、山手線などの通勤電車は禁煙であることに驚きました。さすが都会は違うね〜、と。当時でも、都心から少し離れると吸えましたが。
そう。小生も40歳になる頃までは吸いよりました。煙草。なんか、懐かしい記憶。
土讃線は単線なので、各駅停車は(特急列車も)、しょっちゅう待ち合わせがあります。中学生の時に乗ったその汽車も、しょっちゅう待ち合わせで止まりながらのんびりと進んでおりました。阿波池田行きの汽車の場合、土佐山田で40分くらい待ち合わせ停車があったと記憶します。のんびりのったりまったり。
のんびりのったりまったり、待ち合わせ停車をしまくる汽車に乗り、お昼からの忘年会に出かける朝。
これは、ひょっとしたら凄い贅沢なことかも知れない。
高知に生まれ、高知に育ち、高知で生活しゆうことの有り難味を実感するのは、こんな瞬間。こんな生活、都会では無理でしょう。田舎でも、お昼からこんなに飲むのは高知ばあでしょうきんね。
さあ。今日も元気に酪農家さんたちと、飲もう!