浦戸湾のエガニ、山色の海〔4427〕2015/05/30
2015年5月30日(土)晴れ!
週間予報では曇りのようなお天気でしたが、晴れました。良かった良かった。
と、申しますのは、今朝は、東京からのお客さんと一緒に、浦戸湾の海に出ることになっちょったき。浦戸湾で、ご夫婦で漁師をされておられる廣丸水産さんの船に乗っての刺し網漁の取材。
そう。こないだ5月17日のにっこりに、その前の晩に浦戸湾のエガニを始めとした海の幸を満喫した、という話を書きました。そのエガニは、こうやって網で獲るのでありますね。美しい浦戸湾。青い夏空。なんという風景。
高知市民も、増してや高知県民も、浦戸湾の海の幸がこんなに豊かであることは、メッソ認識しちょらんですね。このエガニは、一般名称はノコギリガザミ。東南アジアではマングローブガニと
いうのと同じ種類にかありません。しかし。この、浦戸湾で獲れるもの、つまり地元でエガニと呼ばれゆうものが、特別おいしいのであります。
カニの風味が「濃厚」という表現、わかりますでしょうか。こんなカニ、他にはありません。いやホント。すごい。
さて。浦戸湾。
今一度おさらいしますと、今から2万年少し前。まあ、地質年代で言えばほんの最近。人類史で言えば、アフリカを出発した人類が世界中に拡散し、日本にもたくさんの人々が住み始めておった時代。地球はヴュルム氷期という氷河期で寒冷化、それによって氷河が発達して海水面が低下しておった時代。
瀬戸内海は干上がって中国地方と四国は陸続きになり、四国へもたくさんの人々が渡ってきました。そして、四国山地を越えて高知へも。
南国市の奥谷南遺跡界隈には、石器を使う人々が定住していた、そんな時代。
ここ、浦戸湾は、左右に切り立った山が迫る渓谷でございました。海水面は、今より100m以上、低い位置。現在の高知市中心部。急傾斜の尾根が、海に向こうて下っております。で、この海域は、海に向かう急流が流れる渓谷で、浦戸大橋の界隈は、今よりも100m以上低い位置を急流が流れておりました。
この写真を撮った位置は、孕半島の少し南。
ここに、刺し網を入れちゅう廣丸水産の永野さんご夫婦。網を上げて行きよりますと、台湾ガザミが数匹上がってきます。そして。突然、この大物。キタ〜!
雄のエガニの大物。この嬉しそうな永野の奥さん(まーちゃん)、ご覧ください。いや、ホント、獲れて良かった良かった。
高知県は、今、「高知家の家族は、みんなあがスターやき。」というプロモーションをやりよりますが、そこでエガニスターとして認定されたまーちゃん。この笑顔。素晴らしいではありませんか。
この浦戸湾にエガニが生息するのは、海底がシルト層であることや、海水が山からのミネラルに満ちていることなどが理由としてあげられるそうです。
この、入り口が狭い、限られた海域である浦戸湾に、7つもの河川が山から流れ込んでくる。それによって、この素晴らしい海の幸がもたらされる。
廣丸水産の永野のご主人は、この海を「山色の海」と表現されております。ああ。「山色の海」。
山からの養分やミネラルが流れ込んでくる、太平洋とは一線を画した海、浦戸湾。山色の海。
今日は、美しい言葉を聞きました。
山色の海。