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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

上岡山ができた訳(妄想)〔4413〕2015/05/16

上岡山ができた訳(妄想)

2015年5月16日(土)小雨

蒸せますね。昨日から暑いくらいの高知。今朝は小雨ですが、蒸せます。もう、梅雨が近いのでありましょうか。風景の中の緑もどんどんと濃ゆくなっていきます。虫も増え、生命の営みが風景の中で目立つようになってきた季節。
そんな中、高知大学で、「生痕学」の国際ワークショップが開催されゆう、という記事が、今朝の高新に載っちょりました。国内初の開催。おう。
生痕化石は、生物そのものではなくて、生物が這ったり動いたり穴を掘ったり糞をしたり、といった痕跡の化石。殻を持った生き物は化石となって残りやすいですが、殻や骨の無い、軟体動物などの生物そのものは、化石となって残ることはない。しかし、確かにそんな生物が存在した証として、生痕化石が残されるのであります。

その分野、日本での研究者は、なんと、4人しかおらん、と、その記事に書いちゃあります。しかも、その4人のうち2人は高知大学。すごい。やはり、地学は高知だ。こんな環境の土地に自分が住みゆうとは、つい最近まで知らんかったぞよ。ああ。地学。

そんな訳で、ここは今朝の野市、上岡八幡宮さんの森。毎朝見る風景。今朝は、小雨に濡れ、いつもより静かな森の中。
拝殿の奥には本殿、その奥には標高34.3mの上岡山。上岡は神岡で、昔から神が棲む山であった上岡。
この小山、どのようにできたのか、気になって気になって。気になりませんか?
またここで地学の話か、と思うて、読むのをやめようと思っているそこの貴方、今日は地学の話だけではないので、もう少し我慢したら得します。かも知れません。

え〜と、この小山。標高34.3mと、地理院地図に書かれちょります。で、八幡様の石段下、参道の部分の標高は同じく地理院地図で約14m。標高差は20mばかし。
ここは、洪積台地の先っぽに位置します。台地の崖は、物部川東岸をここまで南下し、この山を起点として南東方向にと伸びてゆくのであります。

今から12万年以上前に、浅海底であった野市や山田に土砂が堆積し、扇状地ができました。その後、海水面が下がり、その扇状地を物部川が開削して平野をつくり、削り残された部分は台地となって残り、山田や野市となった訳だ。ここまでは基礎知識。
さて。この小山の所で台地の崖が曲がっている。
太古の昔、ひょっとしたら、ここに、何かのきっかけで土砂が集中して堆積するようになり、小山になったのではないか。

この界隈には、仏像構造線が走ります。上岡山の西側の物部川を、斜めに、岩石が並んでいるのでわかります。断層に関係する隆起か、と思うて山を歩いてみても、どう見てもこの小山は岩石の山ではない。巨岩が転がっていたりしない。ので、土砂が堆積してできた山、と、素人が妄想してみた訳だ。

さあ。ついてきてますか?
川の河口部とか合流地点とかには、土砂が堆積して小山を形成することはよくあります。
今の高知市堺町。あの界隈には、戦国期まで、鏡川の蛇行によってできた小丘があったと言います。その丘の上に本拠を置いて勢力を拡大したのが、国沢氏。
あと、久万川に、北側から名切川が流れ込んできちゅうところ。あそこにも小山があったそうです。明治期にはまだあったことが、中江兆民さんが東雲新聞に寄稿した文章でわかるのでありますね。
以前にも書いたことありますが、おさらい。

明治21年4月のこと。兆民さん、その、久万川に支流が流れ込む部分にできちょった小山「砂が森」に毛布を敷き、持ってきた料理を食べながら酒を飲んでおったそうな。ああ。夢のような風景。
「砂が森」は「砂が盛」とも書かれ、「たかすな」とも呼ばれておったとか。
その眼前には広がる春の田んぼ。そしてその田んぼでは、老いも若きも、女性がたくさん集まっての田植え。しかし。兆民さんは、昔ながらの田植え歌を聞きたかった訳ですが、「城下近辺の婦女は文明とか開花とかにて西洋流の唱歌を貴びて、土佐流の野調を賤しむと見え」、歌わない。

そこで兆民さん。
その婦人方を呼び集め、お酒を飲ませ、田植え歌をやってくれ、と頼んだのであります。酒を飲んだ土佐の女性に恐いものはありません。さっそく賑やかに歌い始めたそうです。
そう。当然、その歌詞には猥雑卑猥な内容も含まれる訳だが、兆民さん、その健康的な明るさを、大いに楽しんだ、と言います。ああ。夢のような風景。

そんな文章を読んだことがあるので、この、上岡山も、洪積世、長い年月の土砂の堆積でできたのかも知れない、などと朝っぱらから妄想した訳です。全然違うかも知れませんので、ヒトには言わないでくださいね。


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