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三葉虫が見た風景〔4677〕2016/02/04

三葉虫が見た風景

2016年2月4日(木)晴れ!

そんな訳で、今日は三葉虫と眼、色覚と魚の話だ。
写真は、小生の愛読書「三葉虫の謎」。原題は TRILOBITE! 。この最後のビックリマークが、著者であるリチャード・フォーティさんの、三葉虫に対する愛を物語っちょりますよね。

この本、三葉虫好きな人(どれだけ居るのかは知らないが)にとっては、とても魅力的な本。三葉虫好きでなくても、十分に面白い本ですが。
で、カンブリア紀初期に出現した三葉虫に、既に立派な眼があったことが、この本には書かれちょります。

生物に眼という器官が発生したのは、たぶん、その前の軟体動物の時代。で、そこから枝分かれした三葉虫のような節足動物にも、我々の祖先の脊椎動物にも、眼が装備されるようになった。
別に、視覚という感覚は、生物にとって必然ではなかった。
触覚や嗅覚だけで作り上げられた生物世界、というのも、もちろんアリ。もしかしたら、地球は、そんな世界になっていても不思議でなかった。しかし、偶然、視覚というものが発現し、今、我々は大自然の風景を美しいと感じることができるようになった訳だ。視覚がなければ、例えば触覚や嗅覚などが、ものすごい進化を重ねた世界になっちょったのかも知れない。

三葉虫は、今の昆虫の眼に近いような、複眼の優れた眼を持っちょりました。
小さい身体に、巨大な眼、といった、眼に特化した種類の三葉虫も居たくらい。その眼によって、捕食の優位性を獲得したでしょうし、敵から身を守ったでしょうし、繁殖も行ったでしょう。外からの刺激を感じる器官としての眼。

ところで。
ナショナルジオグラフィック日本版というホームページは、なかなか面白くてよく見るのですが、今、東大の河村昭二教授の、色覚の進化についてのインタビュー記事が連載されよります。で、生物の色覚について、それこそ色々教えてくれるのですが、これは興味深い。

脊椎動物が色を感じるのに関係する物質を「オプシン」と言うそうで、単純化すると全部で5種類あるとのこと。
赤型、緑型、青型、紫外線型、桿体型。
人間等の霊長類は、昨日書いたように、赤と緑と青を感じている訳だが、それは、赤型オプシンと、赤型のサブタイプとして創り出した緑と、紫外線型オプシンを青方面に寄せて創った青によるものなのだそうです。
元々、哺乳類は、その進化の過程で赤型と紫外線型の2種類だけで色を感じるようになったのだと言う。なので、現在も哺乳類の多くは、2種類型。白黒ではなくて、赤青で、風景を見ている、と。
哺乳類は、恐竜の時代、小型で夜行性であることによって生き延びてきた。夜は、多くの色を認識する必要がなく、2種類型になったのだと言う。
しかし、サルに進化してきて、森の中で果実を採ったりして暮らすようになると、緑の森と赤い果実の区別がつかないのはまずい、というこで派生的に緑を認識するようになった、という話ですね。なるほど。

で、魚類。
魚類は、種類にもよるが、上に書いた5種類全部とか4種類とかのオプシンを持つ。つまり、我々よりもずっと多彩な色を感じる能力がある、ということにかありません。
昨日も書いたように、水の中は、明るさの変化が激しく、色も激しく変化する。なので、水の中で進化してきた魚類の眼は、我々よりもずっと豊かな色彩感覚を持つのである、ということ。

で、三葉虫。
もちろん海の中で進化を遂げ、ペルム紀末の大量絶滅で地球上から姿を消すまでの3億年間、海で過ごした三葉虫。その眼は、今の生物の眼とはまったく違う素材の方解石でできちょりました。極めて複雑にして精巧な眼。
眼ということで、たぶん一番有名なのは、シルル紀からデボン紀に栄えたファコプスという種類の三葉虫。その方解石でつくられた眼は芸術的に精巧であったと言います。
どんな風景を見ていたのか。海の中で。どんな色を感じていたのかは、今は知ることもできない。しかし、悠久の時間の中で、変化する自然環境の中で進化した三葉虫が、すごい風景を見ていたことだけは、想像できます。人類には想像もできないような、すごい風景を見ていたことだけは。
ああ。三葉虫。


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