素晴らしき三嶺〔4400〕2015/05/03
2015年5月3日(日)曇ったり晴れたり降ったり
今日は、久々に三嶺登山。ホント、久し振り。近所の山をたつくるがもエイですが、やっぱし三嶺。いや、四国にはたくさん、素敵な山があります。小生も、いくつか登ってきましたが、やはり一番素晴らしいのが三嶺。三嶺に戻ってきてしまいます。あたかも、朝の築地で、きつねやのホルモン丼に戻ってきてしまうように。
三嶺の素晴らしさ。それは、高知県側から登っていく途中の、圧倒的な大自然。それに尽きます。ブナの巨木が立ち並ぶ森は、大自然そのもの。そんな森に、一人抱かれて、静かにたたずむ時間。もう、表現の仕様がない。
写真は、さおりヶ原からちょっと登った辺り。小生の右手に、森の巨人たち100選に選ばれたトチノキの巨木が屹立します。別に100選に選定されいでも、すばらしい樹木が圧倒的迫力で居並ぶ三嶺。
大自然が実感できるのは、あちこちの倒木。巨大なブナの木があちこちに倒れ、苔むし、また次に生まれてくるモノの養分になっていく。
しかし、今日気付いたのですが、つい最近倒れたばかりのブナなどの巨木が結構多い。場所にもよりますが、今日下ってきた、地蔵の頭から綱附山分岐、そしてその下の森に、特に倒木や枯れ木が多い。しかも最近の。
これは、おそらくシカによるもの。シカが樹皮を食べてしまうと、樹勢が弱まり、ちょっとしたことで倒れたり枯れたりする、と言います。
とてつもなく素晴らしい、この山を、なんとか守っていかんといかん、と、強く感じた次第です。
今日のコース。
いつもの光石登山口に車を停め、登山開始。しかし。光石から堂床へ下っていく通常ルートが、斜面崩壊で通れんなっちゅうとのこと。迂回路として示されちゅう、少し荒れた山道をどんどん登り、西熊林道へ。西熊林道を、ひたすら走って走って、そして山道に入ってさおりヶ原。
そこから一気にカヤハゲまで駆け上がると、もう、フウフウゼエゼエ。苦し心地良い、あの感覚が戻ってきたではありませんか。
連休というのに、三嶺を目の前にしたカヤハゲまで、誰にも逢いません。これが、また、三嶺の素晴らしいところ。山が大きいので、大自然を独り占めできるのであります。
カヤハゲで、夫婦連れに遭遇し、三嶺へ直登しゆう際に、一人で下ってくる男性に逢いました。赤いウェアがよく似合う、黒人の男性でした。いや、こんなところで出会うとは。
三嶺頂上は、さすがに数組の登山客や学生さん。風が強かったので、岩陰でお湯を沸かしてお蕎麦を食べ、一気に西熊山まで縦走しました。ガスが出てきましたが、まだ、雨は降らない。で、お亀岩を通り過ぎ、地蔵の頭へ。
地蔵の頭から、綱附山の方へと向かう尾根。これ、すごい。ロープを使わんとかなり厳しい崖のような道を下ったり登ったり。で、あまり登山客も通らんようで、ちょっと荒れた道。
途中、目印のテープを見失い、しばらく彷徨ってしまいました。丁度雨も降り出して、ちょっと不安になって心臓バクバク。ガスで、周囲も見えんし。
20分くらい彷徨って、本道復帰。
で、綱附分岐から下って堂床へ。
いや、ここでもちょっと迷うてしまいました。意外に、スリルとサスペンスコースとなってしまったのであります。
で。
堂床から光石への道は、最初に書いたように土砂崩壊で通れない。迂回路、という表示の方へと進む。実は、もう、かなり足にきちょります。朝7時前に歩き始めて、昼食の30分だけの休憩で、もう午後3時。彷徨うたのが、きちょりますね〜。
この迂回路、わかりにくいではないか!
途中まで、大昔にしつらえられた丸太でつくられた段々がありました。荒れ果てた。
しかし、それが途中で無くなり、どっちへ行ったらエイのかわからん。仕方ないので、道の無い尾根を登っていくと、その丸太の段々が突如出現。で、かなり登りました。結構登りました。
最後の力を振り絞り、西熊林道までたどり着き、また急な坂道を下って光石の駐車場。携帯電話の万歩計を見たら、44000歩も歩いちゅうではないか。このアップダウンで。
いや、結構ダレコケました。
今までの三嶺登山との違い。それは、岩石。
岩石を見ながら登ると、実に世界が広がります。ホントです。嘘ではありません。ホントです。岩石を見ながら歩いたので、いつもより時間がかかってしまいました。
三嶺は秩父累帯の北帯。たぶんジュラ紀くらいの付加帯。チャートが多く、岩石ひとつひとつが、全然違うのが不思議。今まで、何の気無しに見過ごしてきた岩石。
初めて三嶺に登った際に、命掛けで横断した「青ザレ」も、御荷鉾緑色片岩であることを、今は知っちょります。
三嶺頂上付近の巨岩はチャート。2億年近く昔に、海底に積もった生物の化石が、こんなところに露出している不思議。
三嶺は、悠久の時の流れの中で成り立ち、我々に大自然の凄さを教えてくれます。