アマガエル、生物の強さと脳と宗教〔5169〕2017/06/10
2017年6月10日(土)良いお天気
今日は高知。昨日の夕刻の飛行機でモンてきてます。ああ。良いお天気だ。梅雨入りしたというのにね。夏空の下を吹き抜ける爽やかな風。
今朝、会社の本社棟の玄関、ドアの把手の上にアマガエル。可愛らしい姿で、ちょこんと座ってました。彼(彼女?)らは、梅雨というのになんで晴れてるんだ、と釈然としていないのかも知れない。少し乾いた体表の、アマガエル。
この体表はなかなか敏感にして脆弱らしく、人類によってしでかされている環境変化に耐えられないのではないか、との説もあるそう。両生類は、現在のペースで減少が進むと100年以内に絶滅するのではないか、との説もあるとウィキに書いちゅう。それは、困る。
両生類は、もちろん、脊椎動物として初めて陸上進出を果たしたと言われてます。3億6000万年前。ウィキには3億6000年前と書いてますが、そんなピンポイントな訳、ないし。
そんなに歴史のある両生類が、絶滅してしまうなどということはあってはならない。まあ、簡単にはならんとは思いますが。生物というのは、一面、強い。
昨日のにっこりに少し書いた「奇跡の脳」。電車の中や飛行機で読みました。いや、すごい。37歳で脳卒中になった脳科学者の女性が、自分の脳科学者としての知識と、左脳で血管が破れ、機能が著しく低下するという体験を重ね合わせて研究し、考えたことを綴った本。
脳は、壊れても、他の部分が壊れた場所が果たしていた機能を代替したりもする。生物というのは、本当にすごい、ということが理解できます。
この著者は、左脳がやられました。すると、自分と外界との境界が曖昧になり、自分が世界の中に溶け込んでいるような感覚になったそうです。そしてそれは、とても安心で幸せな気分になることであった。涅槃のような。
残った理性で左脳の機能を回復させていこうとするとき、自分にとってそれが良いことなのかどうか、迷ったとも書いてます。そんな右脳の世界。
そうか。仏教の悟りというのは、そういうことを言うているのかも知れない、と、突然腹に落ちました。煩悩は左脳。その機能を低下させ、右脳の世界にひたる。それが悟りであり、その先に涅槃がある。仏陀は、右脳と左脳の機能をコントロールできる、特殊な能力を持った人物であったのかも知れない。きっとそうだ。
そして、右脳の世界に至る道筋、考え方を広めようとした。これぞ、救済宗教。
著者は、左脳の機能を回復させていく過程で、使う機能を取捨選択できることに気付く。自分の、嫌な性格や、捨てたい感情を捨て、自分が良いと判断する部分を回復させ、使うということが、ある程度できるようになったと書いてます。そうとすれば、それはもう、悟りだ。仏陀が目指すひとつの境地に、彼女はたどりついたのかも知れない、と思いました。
人間の脳は、すごい。
3月の新刊でご紹介した、ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」には、人間を人間たらしめたのは「認知革命」があったから、と説く。言葉を喋り、空想の言葉が操れるようになって、とても多くの人間の間でコミュニケーションが可能になった、「認知革命」。
それは、たぶん、左脳の革命。左脳に、ある急激な進化があったのか。
それは、人類にとって幸せなことであったのかどうなのかは、僕にも誰にもわからない。
ともあれ。左脳と右脳をうまく使い、良い生き方をしたいもの。