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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

栴檀の木は残った(残らなかった)〔4052〕2014/05/20

栴檀の木は残った(残らなかった)

2014年5月20日(火)晴れ

「秦史談」という冊子があります。「秦史談会」という、もう30年以上続く、高知市北部の秦地区を中心とした歴史愛好家の団体が発行する機関紙。以前は隔月、現在は3ヶ月に1度の発行で、176号を数えます。内容は、秦地区のみに限らない、郷土に関する文章がたくさん。有名な郷土史研究家の先生の寄稿も多く、こじゃんと読み応えのある冊子となっちょります。
小生も秦史談会の末席を汚しちょりますので、この「秦史談」が送られてくるのをいつも心待ちにしております。

で、最新号、176号に、興味深い、ちょっとショックな記事があったのでご紹介します。いつも、「秦史談」の表紙絵を描いておられる松山政司さんの、今月号の表紙絵に関する文章。
その表紙には、薊野の、昔の国道32号線沿いに屹立する栴檀の木がスケッチされちょりました。なんでもないような風景。しかし、この栴檀には歴史があったがですね。

平成2年5月4日の高知新聞、ふるさと再発見というコーナーに、「薊野のセンダン並木」という記事が写真入りで掲載されました。その文章を転載します。以下転載。

「昭和16年夏写した高知市薊野地区の風景。右の森が掛川神社。道は現在の県道後免中島高知線で並木はセンダン。その左を土讃線が走っている。
当時、センダン並木は比島橋北詰から一宮までずっと続いており、初夏には薄紫色の花がにおい、盛夏には格好の日陰となった。(中略)
県道両側の田んぼは埋められ、今は民家や商店が立ち並ぶ街となっている。」
以上転載。

これが、今から丁度14年前の記事。
その記事を読んで、松下さんは、薊野の道路へセンダンの樹を見に行き、風景を写生しました。そして、平成2年6月号(38号)の「秦史談」の表紙絵に使い、文章を書いておられます。その転載。

「5月14日の高知新聞に、昭和16年に撮影したという薊野のゼンダン並木の写真が掲載された。比島橋から一宮神社まで歩いてみた。
最初のセンダンは、エイトあぞの店前道路の南側にあった。以下、現在残っている木の所在を列挙すると次のとうりである。いずれも一宮方面に向かって右側の道路脇に残っている。
掛川神社参道西に1本、JR薊野駅前に2本(小木が1本)、薊野バス停前に1本。四国名鉄倉庫前には、枯れている1本を含め4本のセンダンが残っていた。表紙はここから西方を見たところである。
さらに、喫茶トップハット駐車場前1本、太助寿司駐車場前1本と続く。
三愛病院前にある2本のうちの1本は、1mくらいの高さから折れているが、そこから若い枝が伸びてきている。
清野マンション前1本、一宮支所前に小木1本あり、高知市一宮農協構内の1本で終わっている。
あわせて16本のセンダンが残っていたのである。」
以上転載。

これが今から14年前の文章。そして、今月号に、表紙絵とともに「栴檀の木は残った」という玉稿を寄せられちょります。これも転載します。

「太平洋戦争前、比島橋から一宮神社までの街道には栴檀並木が続いていた。平成2年6月、この街道の栴檀を探して歩いた。11ヶ所に16本の栴檀が残っていた。その時、名鉄倉庫前から西方を見てスケッチしたのが、同年同月38号の表紙である。
今年4月、再び歩いてみた。街は変貌し、ポイントも変わっていた。スーパーマーケット「エイトあぞの」はなくなり、JR薊野駅は東方に移転していた。四国名鉄倉庫はどこかに移転した。喫茶トップハット、一心太助寿司もなくなっていた。一宮支所は一宮ふれあいセンターになり、一宮農協はJA高知市としておしゃれな施設に変わっていた。
そして、何と残っていた栴檀はわずかに2本。高知新聞薊野販売所西と、ホンダ一宮営業所南側の2本だけだったのである。
平成2年6月と同じ場所から同じ方向に向かってスケッチしたのが、今月号の表紙である。」
以上転載。

そう。戦前、比島橋から土佐神社まで続いていた栴檀並木が、平成2年には、16本残っておりました。それが、この14年の間に、何と2本だけになっちょった、という話。しかも、目印とした施設が軒並み移転したり無いなったりしちゅう。
ああ、14年。
たった14年で、風景は、そんなにも変わってしまうのか。このにっこりひまわりを初めて11年が経過しましたが、世の中はその間に、ビックリするほど変化しちゅうのでありますね。

この写真は、残った2本の栴檀を写したもの。手前の1本と、向こうの信号機の下に見える1本。この2本だけが、ここが栴檀の街道であった往事の痕跡となって、残っちゅう訳です。

今から73年前の今頃、薊野の街道に満ちていた薄紫の花。
この2本の栴檀だけは、同じように薄紫の花を咲かせ、頑張っています。


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