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知っとく健康コラム

これもすごい!雪ヶ峰牧場の「ジャージー山地酪農」2004/11/11

豪快!痛快!こだわりのためなら、カネも努力も惜しまぬ酪農界の変わり者(自称)

自然をこよなく愛する達人に出会いました。

前回に引き続き、県内のこだわりの酪農家さんを紹介いたします。今回おじゃましたのは土佐山田町の雪ヶ峰牧場さんです。前回ご紹介した斎藤牧場と同じく24時間放し飼いの山地酪農なのですが、ここで飼われているのはジャージー牛。酪農に向かないといわれるジャージー牛にこだわるのは牧場主の野村真一さん。またこの方がすごい人なのです。ここは一体どこ?

ここは本当に高知なの?

雪ヶ峰牧場は、牧場主の野村真一さんが昭和62年からジャージー牛を放牧。現在約100頭余りの牛が24時間放し飼いされています。搾乳は朝と夕の2回。それ以外はおいしい新芽を求めてうろうろ。食べたら木陰でのんびりといった具合。のびのび、いきいきと自然のままに暮らしています。

どこかアルプスの高原を思わせるような雰囲気に圧倒されてしまいます。ちなみに雪ヶ峰牧場という名前は、この地にあった長宗我部時代の雪ヶ峰城にちなんでつけられたそうで、実のところ、あまり雪は降らないそうです。

ここ、雪ヶ峰牧場の主は野村真一さん。お年は?と聞くと、「正確には知らんでぇ」とはぐらかす野村さん。土地の広さもだいたい、牛の頭数も100頭ちょっとばあ。「何にも正確には知らん方がえい。丁度のことばぁ言いゆうき、難しい問題がおこるがよ」と笑う。

「うまいもん」にこだわり尽くす

雪ヶ峰牧場は、牧場主の野村真一さんが昭和62年からジャージー牛を放牧。現在約100頭余りの牛が24時間放し飼いされています。搾乳は朝と夕の2回。それ以外はおいしい新芽を求めてうろうろ。食べたら木陰でのんびりといった具合。のびのび、いきいきと自然のままに暮らしています。

でも、この自然のままというのが、経営的には問題なのです。当然ながら乳量も自然の牛そのまま。畜舎で飼われる牛に比べて少ないのです。まして、ジャージー牛はホルスタインなど他の種にくらべて乳量が少ない。雪ヶ峰牧場では日量500キロ。ほとんどが、プライベートブランドの出荷でなくなってしまう程度なのです。「ジャージーなんか経営的に絶対に成り立たん。特に山地で放し飼いらぁ、採算が合わん」と野村さん。その採算性の悪さから、今やジャージー牛の酪農は少なくなってきました。

それでもジャージーにこだわる理由は?と聞くと「うまいから」ときっぱり。2000年以上前から飲まれてきたホルスタインに対して、ジャージーは600年ほど前に、イギリスの貴族が美食のために飼い始めたと文献などで知った野村さん。「そんなにうまいもんなら、やってやろう」とこの地でジャージー牛を飼い始めたそうです。そう、野村さんは「うまいもん」にこだわり尽くす人なのです。


とにかく野村さんの「うまいもん」へのこだわりは尋常ではありません。その一例を紹介しましょう。ローマの休日で、オードリー・ヘプバーンがアイスクリームおいしそうに食べている姿を見た野村さん、これを自分の牧場の牛で作ったらさぞうまかろうと、すぐにイタリア製のアイスクリームマシンを購入。ところがどうも砂糖がよろしくない。じゃあ、と種子島のサトウキビ畑ごと買ってしまった。なんとも豪快なこだわり方。今も畑はあるそうですが、アイスクリームにはハチミツを使っているそうです。これももちろん自家製。ニホンミツバチも飼っているんですね。ついでに卵も雪ヶ峰牧場産。牧場に暮らすイサブラウンという種の鶏の卵です。さらに驚かされるのが、このアイス、売っているわけではなく、牧場内でご自身や仲間内などで食べているというから、なんとも・・・・。

食の安全・安心が何よりも大事

前回も紹介しましたが、山地酪農では、山に広がる芝を食べた牛の糞尿が栄養となってまた芝が育ちます。牛が山で暮らすことでそれが繰り返されていくわけです。化学肥料もほとんど使用しない、配合飼料や輸入飼料といったものも必要としない自然に近い酪農法なんですね。

雪ヶ峰牧場の牛は、雪ヶ峰の湧き水を飲み、元気な土地の元気な芝を食べているからとっても元気。だから牛乳もおいしいわけです。

自然のままであることは、「うまい」であり、それこそが食の安全・安心にもつながるもの。「食の安全・安心が何よりも大事。なんぼコストが高うなってもかまんきよねぇ。特にこだわってみたいがよ。そろばんを度外視せんとできんわね」。野村さんは、牛乳だけでなく、米や野菜など口に入るほとんどのものを作られていて、そのどれもが徹底的に有機栽培にこだわっておられます。本当に脱帽です。

牛はおいしい新芽を求めて食べながら移動します。お腹がいっぱいになると、木陰でのんびり。

酪農界の変わり者(自称)

「自然のもん、うまいもんにこだわって、こんな採算の合わんことばっかりやりゆうきに、わしゃぁ変わり者で通っちゅう」と野村さん。でも実は有名人。国内外から見学者が訪れ、いろんな大学からの実習生もやって来ます。「こんな土佐のかわり者のところへ実習にきてもいくまいがと言いゆうがやけんど『そこを研究してるんです』と」(笑)。雪ヶ峰牧場に学ぶことは多いようです。

実習生の中には、卒業後に雪ヶ峰牧場の従業員になられた方も。実は野村さん、実習の際に優秀な学生をチェックしているとか。さすがっ!

地球はよ~けぇ持っちょかなぁいかん

雪ヶ峰牧場はとにかく広い!牧場を走る農道だけでもなんと1周10キロ。正確には?と聞いても、「広さなんか正確にはわからん。使いゆう所だけで100ヘクタールばぁよえ」。使ってない所があるってことは・・・。う~ん、まあもっと広いってことなのでしょう。でも使ってない所って、実はちゃんと意味があるんだそうです。牧場として使っている山の周辺を野村さんはどんどん買われています。で、使わずに遊ばせている。牧場を取り囲むように使っていたい土地があるわけですね。「これなら、牧場の周辺で少々産業廃棄物や農薬の問題が起こっても、牛の健康に影響はないろう?牛が健全なら、できる牛乳も健全ながよ」。

これも、消費者に安心と安全を届けるための投資。でもその土地が、道路計画などにかかって買収・・・・なんてこともしばしば。消費者のためと、採算度外視でやっていることで、見返りがあることもあるようです。

野村さんは言います。「やっぱり、地球はよ~け持っちょかなぁいかん」・・・・な、なるほど、勉強になります。なにしろ地球相手ですから、考えるスケールが違います。常に自然とまっすぐに向き合っているからこそなのでしょう。いつもながら、豪快な達人でした。

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